はじめに
この記事は、やりたいことや選択肢はあるのに、「何を決めるか/今は決めないか」で止まってしまう人のために書いています。私は、意思決定の整理担当です。
考える順番と論点を整理し、あなたが決められる状態をつくります。
決断が遅いのは、思考が浅いからではありません
「もっと考えないといけない気がする」
「まだ判断材料が足りないかもしれない」
そして、情報を集め、比較し、丁寧に検討する。
賢く稼いでいる個人事業主や経営者ほど、この姿勢を持っています。
軽く決めたくない。
できるだけ精度を上げたい。
自分の判断に責任を持ちたい。
とても健全な姿勢です。ただ、ここで一つだけお伝えしたいことがあります。決断が遅いのは、思考が浅いからではありません。
多くの場合、考えなくていいところまで、丁寧に考えているだけです。
能力の問題ではありません。思考の量が多すぎるだけです。
なぜ優秀な人ほど決断が重くなるのか
決断の前に「全部整理しよう」としている
意思決定には、いくつかの段階があります。
・論点を分ける
・前提をそろえる
・選択肢を絞る
・リスクを想像する
・最終判断をする
本来は順番があります。ですが、多くの人はこれを同時に扱ってしまいます。
たとえば新規事業を始めるかどうか。
市場性、資金、リスク、タイミング、自分の覚悟、家族の理解。
一つずつ扱えばいいものを、すべてを一気に考え始める。それだと、重くなって当然です。
「考えている状態」は少し安心できる
もう一つあります。実は、考え続けている状態は、少しだけ安心できます。
まだ決めていない。
だから失敗も確定していない。
責任もまだ発生していない。
この“保留”の状態は、無意識に安全です。
けれど、考え続けること自体が消耗になります。
時間も集中力もエネルギーも、静かに削られていきます。
そして気づかないうちに、決断は後ろへ伸びていきます。
決断を速める人が「あえて考えない」理由
どこまで考えるかを、先に決めている
決断が速い人は、特別に頭が回るわけではありません。
「どこまで考えるか」を、あらかじめ決めています。
・今はここまでで十分
・この論点は後で扱う
・これは今は決めない
つまり、考えない範囲を決めているのです。
考えないことは、手抜きではありません。集中するための選択です。
施策を抱えすぎていた経営者
ある経営者は、同時に5つの施策を検討していました。どれも大事で、どれも可能性がある。
整理すると、「全部を今期中に判断する」前提で思考していました。
でも本当に必要だったのは、「今月決めるものはどれか」を分けることだけでした。
判断対象が減った瞬間、表情がやわらぎました。
発信が止まっていた個人事業主
別の個人事業主は、SNS発信が止まっていました。理由は方向性が完全に固まっていないから。
整理すると、“最終的な方向性の確定”と“今週の投稿内容”を同時に考えていました。
本来は分けられます。
今週の投稿は、仮の方向性でも出せる。
方向性の最終決定は、別の時間に扱える。
分けただけで、動き出しました。
「考えない」は、質を下げることではない
考えないという言葉は、少し乱暴に聞こえるかもしれません。でも実際は逆です。
考える範囲を絞ることで、判断の焦点がはっきりします。
・今、何を決めるのか
・今は決めなくていいものは何か
・そもそも今扱うテーマなのか
この仕分けがないまま、全部を丁寧に扱うと、優秀な人ほど止まります。
決断力を鍛えなくていい。足りないのは能力ではありません。
必要なのは、思考の総量を少し減らすことです。
少し楽になる視点
もしあなたが、「考えているのに前に進まない」と感じているなら、足りないのではなく、抱えすぎているだけかもしれません。
すべてを今、決めなくていい。
全部を完璧に整えなくていい。
まずは、
「今決めるもの」と
「今は触らないもの」を分ける。
それだけで、判断は驚くほど軽くなります。決断を速める人は、たくさん考えているのではなく、余計な思考を持たない設計をしているだけなのです。
おわりに
決断できない原因は、能力や覚悟ではなく、判断の扱い方が整理されていないだけということがほとんどです。もし今、「決めること自体に疲れている」なら、一度、判断を仕分けるところから始めてみてください。
私は、意思決定の交通整理をしています。


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